1)植物の病気を抑える嫌気微生物微生物の探索と抑止メカニズムの解明
Findings of disease suppressive anaerobes and revealing their suppression mechanism
様々な土壌や微生物コレクションから土壌伝染性病害の防除を引き起こす微生物の探索を行っている。そのためにまず発病抑止土壌を対象とした群集構造解析を行い、発病抑止土壌に特徴的な微生物を明らかにする。その情報をもとに病気を抑止しそうな菌を選抜し、実際に試験を行うことで発病抑止能力を持つ微生物を明らかにする。発病抑止能を持つ微生物については発病抑止メカニズムの解明およびそれに関わる遺伝子の特定も行う。
2)土壌還元消毒を引き起こす微生物の解明
Elucidation of microbes involved in disease suppression by anaerobic soil disinfestation
土壌還元消毒法とは、土壌に有機物資材を投入し潅水したあと、農業用ポリエチレンフィルムで土壌表面を覆い、太陽熱で加温しながら土壌を強制的に還元状態にすることで、土壌中に存在する病原菌を死滅させる方法である。この消毒は土壌微生物によって引き起こされるが、消毒に関与する微生物は明らかになっていない。そこで次世代シークエンサーや培養法を用いて、消毒を引き起こす微生物を明らかにする。
3)バイオ炭の施用が土壌理化学性と微生物性に与える影響解明
Effects of application of biochar on soil physicochemical and biological property
竹炭やもみ殻くん炭といったバイオ炭は古くから土壌改良材として知られている。最近では土壌への炭素貯留という観点からますます注目されている。バイオ炭施用が土壌理科学性だけではなく、微生物性や酵素などに及ぼす影響を明らかにし、炭の新たな魅力を再発見する。